ここにある
母が声をかけてきたのは、てっきり学校から何か、連絡があったのだろうと思っていたあたしは

次の母の言葉に、心臓が凍りついた。


「会ってほしい人がいるんだけど」


あたしはそのまま、何も言い返せず、母に無言を投げつけた。


そのあと、学校から予想通りの展開で連絡があり

「陶子、これから原田先生がいらっしゃるそうだから、出掛けないで、そこにいなさい」


そう言った母に、やはり無言しか返せなかった。

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