ここにある
学校はやめます。

早くその言葉を言ってしまおうと、あたしが扉に手をかけると

「佐倉さん、あなたひとりでは出来ないことが、世の中にはたくさんあるんです」

原田が口調を強めた。


「いつまで、ここにいても何の解決にもならないの。お母様にどれだけのご迷惑をかけているか、あなたはわかってるの?」


頭の中で、何かがパーンと砕けた音がした。
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