ここにある
こうなることは、最初から決まっていたんだ…

母にとって、あたしがどんな存在なのか、それを知った日から、すでに。


あたしは母の重荷でしかないことを、認めたくなかった。


現実を受け入れるのが怖くて、学校からも家からも逃げていた。

そうやっていれば、いつか許してもらえるんじゃないか…


情けないほど幼稚で、救いようのない望みに、あたしはみっともなく、しがみついていたんだ。


あたしの行くべき場所は……

そんなの、決まっている。

夜の海…


最初からそこしかなかったんだ…

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