ここにある
対岸の土手に着くと、あたし達は斜面をすべるように駆け降りた。


途中、二人で何度も転びながら、互いに手をとり川岸を目指す。


土壌がならされていない川岸付近は、背丈を越えるほどの草木が生い茂り、なかなか前に進めない。

それでも、必死にかき分け、ようやくひらけた視界に


みごとなコスモスの群集が、風に揺れていた。


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