ここにある
それでも、あたしは悪あがきをするように、目を閉じたまま一歩も動かずにいた。


次に目を開けた時、何もかも変わっていればいい。


誰にも必要とされていない自分の存在も、帰りたくない場所も、親も学校も、全部。


いっそう固く目を閉じれば、呼吸まで苦しくなった。

深く息を吸いこもうとした瞬間…!


誰かの息と重なった。
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