ここにある
打ち寄せる波に足元をさらわれ、あたし達はもつれたまま、沖へすすむ。

足元でざぶざぶ音をたてている波が、膝上まで上がってきた。

勢いづいた波が次第に強まり、絶え間なくあたし達をゆさぶる。

体は闇に飲まれるように、どんどん深みへ流される。

< 231 / 281 >

この作品をシェア

pagetop