ここにある
詩音は、なるほど…とうなづき

「オレにもやらせて」

好奇心でいっぱいに輝かせた瞳を近づけた。

あたしが許可するまでもなく、詩音はあたしの胸に耳を寄せた。

驚きと緊張で、びくりと体をこわばらせると「動かないで」と後ろから、しっかりと腕で押さえられる。

どこもかしこも、ずぶ濡れの体なのに、詩音と触れ合っている部分だけが、燃えるように熱い。

鼻先に触れた詩音の髪は、濡れているのに柔らかい。


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