ここにある
ガシャン


あたしの体に、激しい衝撃が走った。


母にぶたれた現実はすぐに受け入れたが、瞬間的に目を閉じたあたしは

自分の状態が、どうなっているのかわからず

カラカラと耳元で空回りする車輪の音を聞いていた。

口の中に鉄臭い味が広がり、そっと目をあければ、あたしの体は駐輪場にある自転車に突っ込んでいた。
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