ここにある
少年は近づいたあたしに、まったく気づいていない。

ただ、ひたすらに川の向こうを見続けている。


その対岸にあるものを、どうしても知りたいという強いまなざしに、あたしは簡単に声などかけてはいけない気がした。

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