ここにある
「あたし達って、なんのために生きてんのかなぁ」

思わず、頭に浮かんだ言葉を口にすると

「んー…、色んなこと、知りたいから?とか…」

詩音らしい、言葉が返ってきた。


「それって、あたしのことも入ってる?」

いたずらっぽく、詩音を見ると

「陶子のこと、知りたいって思わなかったら、オレ生きてる意味ないって」

そう言って無邪気に笑う詩音の瞳を、あたしは、じっと見つめた。


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