ここにある
紅茶色に透き通る瞳を見つめていれば、その瞳もまた、あたしを見つめ返してくる。


心臓があきれるほど、強く打ち鳴り

いい加減、目をそらしたいのに、そらせない。

「なんで…詩音は、あたしを知りたいって思うの……?」


詩音はあたしに、どんな言葉をくれるだろう。

詩音の言葉を待ち望み、期待しすぎて潤んでいく瞳が恥ずかしくて、そっと目を閉じた瞬間


こつん

額にふわりと暖かなぬくもりを感じた。


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