ここにある
ちらりと横目で彼を見れば

長い前髪からのぞく紅茶色の瞳が、やはり、揺れるコスモスをとらえている。


たいして強い風ではないのに、対岸のコスモスはなぎたおされそうに揺らいでいる。


ガードレールに置かれた彼の拳が、コスモスを励ますように
きゅっと握られている。


それにしても…
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