ここにある
あたしは、かすかに鼻腔をかすめた、チョコレートの香りにはっとして、隣を見る。


詩音がいた。


詩音は、あたしに気づいているのか、いないのか…

額をガラスに押し当て、じっと店内を眺めている。
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