憧れの彼と恋する方法
お店の中に入ると、想像していた通りの光景。
魔法の杖まではいかないけど、壁には本がびっしりと並べられていて、本棚の前にある机の横には大きくて古い椅子が1つ。
窓際に置かれた棚には、何とも言えない雑貨や小物の様な物が並んでいる。
幾つかの蝋燭や、本来の機能を無視した薄暗く微かに光るライト。
お店には蛍光灯なんてなく、その灯りだけで照らされている。
「なんかお婆ちゃん家の匂いに似てるかも…」
お香かアロマの匂いなのだろうか、少し古臭い香り。
この店…というか本当にお店なのかな…?
色んな想像が膨らんでしまう。
「すいませ~ん」
少し遠慮した声だからか、反応が全くない。