憧れの彼と恋する方法

「沙羅ちゃんって今何歳?」


「はい、20歳です」


わ、若い…。


「だったらそんなに悩む必要ないよ」


「そうでしょうか…」


「だって、メイクの仕事が好きなんでしょ?
大事なのは上手にやるっていう事よりも、その仕事が好きだっていう気持ちじゃないかな?」


なんだか、昔の自分に言い聞かせてるようだった。


「まだまだこれからだよ。桜井さんのアシスタントなんて、それだけでも沙羅ちゃんついてると思うし」


沙羅ちゃんの目は真剣で、とてもキラキラしていた。

メイクアップアーティストを目指し始めた頃の自分のように。


「いっぱい桜井さんから学んで、諦めないで沢山実践を重ねていけば自然と結果はついてくるよ」


「そっか…、なんか勇気が湧いてきました」


そう言って大きな目を見開き、「頑張ろう」と小さく呟いた。


沙羅ちゃんって、かわいいな。

こういう子だったら…竜司君は…。

なんて、すぐにそう思っちゃうのは私の悪い癖だ。

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