憧れの彼と恋する方法
桜井さんとのメイクの勉強を終えた私は、撮影の時間が近づいてきた為、舞美の控え室に向かっていた。
「由希さん!」
気付くと私の真後ろには、いつの間にか竜司君が立っていた。
「うわぁ!」
全然気付かなかった私は、驚いて声を上げる。
「そんな驚かなくても」
「あ、ごめん」
「そんな事より、昨日はありがとうございました」
そう言って軽く頭を下げる竜司君。
私は何のことか分からず、首を傾げた。
「沙羅ちゃん、相談してよかったって凄い喜んでましたよ」
「あ…あ~、沙羅ちゃんの事か」
思い出したようにパッと目を見開く。
「私なんかで良かったのかな」
「由希さんだからこそ、沙羅ちゃんも勇気付けられたんだと思いますよ」
「そっか、だったら良かった」