憧れの彼と恋する方法
その日の夜桜井さんに付いて行った私は、目の前で繰り広げられていたプロの技術に、瞬きさえも忘れるほど夢中になった。
けれど、心のどこかに竜司君への想いもあったのは事実…。
「ご飯でも行きましょう」
打ち合わせを終え、桜井さんはそう言ってお気に入りのレストランに連れて行ってくれた。
電話で予約をしたお店に付くと、そこには3人分の席が用意されている。
「誰か来るんですか?」
私がそう聞くと、桜井さんは「特別ゲストよ」と言って微笑んだ。
誰が来るんだろう?
そう思っていると、しばらくしてその特別ゲストが現れた。
「遅くなりました」
少し遅れて来たその人は、全く想像もしていなかった人物。
「ほ…星野さん!」
私のリアクションを見て、桜井さんも星野さんも笑っている。
「驚かせてごめんね」
そう言って眩しい笑顔を見せる星野さん。
同じ女なのに、胸がキュンとなってしまった。