憧れの彼と恋する方法

私が落ち込んでいると、星野さんが優しい口調で語り始めた。


「私もね、時々あるわ。仕事中にも関わらず、他に気を取られてしまう事」


私は俯きながら、黙って星野さんの言葉を聞き続けた。


「でも、そういう時は決まって後悔するの。
今の自分は仕事に対して精一杯やってるのかって。
特に恋をしてる時なんかは、多いわ」


その言葉に、私は顔を上げた。


「恋って不思議よね。上手くいってる時は仕事も上手くいくのに
不安になると途端に仕事も上手くいかなくなる。
ほんと、魔法みたいね」


そう言って子供みたいに無邪気な笑顔を見せた星野さんを見て


私は泣きそうになった。


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