憧れの彼と恋する方法
そのココアを飲んだ私は、抑えていたものが一気に溢れ出すかのように涙を流した。
まるで子供のように、声を出して泣いた。
もう耐えられないよ…。
竜司君の近くに居れる毎日が、楽しくて楽しくて、あんなに嬉しかったのに。
今は、それが辛くて仕方ない…。
竜司君と沙羅ちゃんが一緒にいる姿を見るたび、その場から逃げ出したくなる。
「もう…この世界に居たくない…。居たくないよ…」
ずっと黙っていたローズさんが、しばらくして口を開いた。
「あんたに話してなかったね?」
「え?」
「この店の名前、アーサーの事…」
ローズさんが、この店を出した理由…。