憧れの彼と恋する方法
「それじゃー、もし私の願いが叶えられなかったら…」
「あんたの願いが叶えられなくても、またあと1年待てばいいだけだ」
ローズさんは笑みを浮かべながら、軽い口調でそう言った。
「だけど、そんなに長い間待ったのに…」
「余計な事を考えるんじゃないよ。あんたの願いが叶うのと私の願いが叶うのは別」
「でも…」
「願い事とか、そんな事はもうどうでもいいんだ」
遠くを見つめる様に、ローズさんが言った。
「私が唯一後悔している事は、あの時…」
今迄見た事のないような切ない目。
「ローズさん…?」
「あの時、自分の気持ちをアーサーにぶつけなかった事なんだよ」
身分の違いから、彼への愛を閉じ込めた事に後悔していると言った。