憧れの彼と恋する方法
私は、自分の胸に手を当てた。
「今のあんたに似てるだろ?」
私と彼じゃ、住む世界が違いすぎる。
無理だと決め付けて、自分の気持ちに嘘をついてきた。
「あんたの願い事は、かつて私が出来なかった事…」
私は立ち上がり、ローズさんを見つめた。
「だからかね、あんたの事が気になって仕方がない」
優しい顔をしたローズさんは、照れた様に窓を見つめた。
「ローズさん…」
けれどその後、すぐにいつものローズさんに戻りこう言った。
「7月1日、0時きっかりだ。
その瞬間、あんたが過ごしてきた時間は元に戻る」
そう言って私に背を向けた。
ローズさんが、かつて出来なかった
私の願い事…。