憧れの彼と恋する方法
頭の中で、天使と悪魔が戦ってるのが分かった。
”自分の目の前に竜司君と沙羅ちゃんが居て、楽しく話している所を見てられるのか?
呼んじゃだめだ。
竜司君は沙羅ちゃんの事が好きなんだよ。
好きな人の幸せを願うんじゃなかったの?
呼んであげなよ・・・”
「あのね、これから皆で食事に行くんだけど…
沙羅ちゃんもどう?」
勝ったのは天使だった。
果たして本当に天使だったのかは分からないけど。
タクシーの中で、舞美の「何で?」という言葉を何回聞いただろう。
何で?自分でも分からないよ。
タクシーの窓から見える景色。
あの時3人で乗った車から見えた景色と同じだけど、気持ちは全然違う。
嬉しくて嬉しくて、笑いが止まらなかったはずなのに、今は苦しくて辛くてどうしたらいいのか分からない。