憧れの彼と恋する方法

「竜司君忙しいからオフの日なんて無いと思うけど、もし空いてる日があれば…」


断られるのが怖くて、一度も自分から誘えなかった。


「由希さん?」


でも…。



「もし、空いてたら…2人で話がしたいんだ…」


心臓の鼓動が激しくなっていき、声が少しだけ震える。



「えっと…、今月は空いてる日が30日の夜しかないんですけど、その日で大丈夫ですか?」


30日の夜。

この世界に居られる、最後の日。



「うん、その日でいいよ」


最後の日、私は心に決めていた。


自分の気持ちに正直になって
ちゃんと伝えよう。


もう逃げない。

もう、嘘はつかない。

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