憧れの彼と恋する方法
その後、限られた時間だったけど軽い打ち上げが行われた。
スタッフが用意した食べ物やお酒が並べられ、皆それぞれその時間を楽しんだ。
「由希ちゃんお疲れ様」
私はポテトチップを片手にウロウロしていると、後ろから星野さんに声を掛けられた。
「お疲れ様です」
「由希ちゃんも頑張ったね、後は恋だけかな?」
「もう、からかわないで下さいよ」
かわいい笑顔で私にそう言った星野さんは、細くて綺麗な手を差し出した。
私はその手を握り返す。
「ありがとう。いつか私のメイクもしてね」
「はい、是非お願いします」
「あれ?もう『私なんか…』って言わないのね?」
「はい。もう言いません」
星野さんは少しローズさんに似てる部分があって、なんだか私の全てを知っているような、そんな不思議な気持ちにさせてくれる。
悩んでいる時、魔法の言葉をくれた、凄く綺麗で私の憧れの女優さん。
きっと、いつかまた…。