憧れの彼と恋する方法
「由希さん!」
少し息を切らして沙羅ちゃんが私の前に走ってきた。
「どうしたの?」
「いっぱい人がいるから探しちゃいましたよ」
飲み物を私に手渡した。
「ありがと」
「私、由希さんに出会って一緒に仕事して本当に良かったです」
ううん、違うよ。
私こそ、沙羅ちゃんに出会えて良かった。
凄く辛い想いもしたけど、それは沙羅ちゃんには何の関係もない事。
沙羅ちゃんは、自分の手で自分の幸せを掴んだんだもんね。
「また一緒に仕事出来る日を楽しみにしてます」
そう言って沙羅ちゃんは、今度は桜井さんの方に向かって走って行った。
かわいい、私の妹みたいな沙羅ちゃん。
私に、がむしゃらに頑張るっていう気持を教えてくれた。