憧れの彼と恋する方法
2時間後そろそろお開きという時、私はキョロキョロと周りを見渡したけれど、其処には竜司君の姿は無かった。
「途中で帰っちゃったのかな…忙しいもんね」
そう呟くと、舞美がポンと私の肩を叩いた。
「由希、一緒に帰ろ」
帰りのタクシーの中、私達は不思議と話をしなかった。
この世界が終わっても、舞美とはまた会える。
だけど…。
タクシーが家の前に着いて、私は先に車を降りた。
振り返り、タクシーの中にいる舞美を見つめる。
「ねぇ、舞美」
タクシーの中から、舞美は顔を見上げた。
「私、ずっとずっと舞美の事応援するから」
「え…?」
不思議そうな顔をしている舞美。
「絶対に諦めないで、舞美なら出来るから…」