憧れの彼と恋する方法
6月29日
久し振りの休み。
私は迷わずあの場所へと向かった。
「こんにちは」
大きな声でそう言うと、いつもの様に迷惑そうな顔でローズさんが出てきた。
「ついこの前は暗い顔で泣いてると思ったら、今度はやたらご機嫌だね、まったく…」
そのままローズさんは椅子に腰を掛けた。
「で、今度はなんだい?」
「別に、用事はないです」
「なんだい、用事がないなら…」
「さっさと帰れ、でしょ?」
ローズは驚いた顔をした後、少し笑顔を見せた。
「私も、ローズさんの言いたい事が少し分かるようになりました」
私は、ローズさんが座っているすぐ横の壁に寄りかかった。