憧れの彼と恋する方法
「私、明日…自分の願いを叶えようと思います」
ローズさんは特に驚いた様子もなく、読書を始めた。
「自分に正直になるという事が、気持ちを伝える事と同じかどうかは分からないけど、もう嘘をつくのはやめます」
「そうかい」
「それでもし、気持ちを伝えても私の願いが叶ったって事にならなかったら…」
私の為に、もしローズさんの願いが叶えられなかったら…。
それが不安だった。
こんなに長い間待ったのに。
すると、ローズさんが本を閉じ、私の目を見つめた。
「馬鹿だね、そんな事どうだっていいって言っただろ?
大切なのはあんたがどうしたいのかって事なんだから」
「はい。ローズさん…私、頑張ります」
そう言って、椅子に座ったままのローズさんに手を振りお店を後にした。