憧れの彼と恋する方法

「私、明日…自分の願いを叶えようと思います」


ローズさんは特に驚いた様子もなく、読書を始めた。


「自分に正直になるという事が、気持ちを伝える事と同じかどうかは分からないけど、もう嘘をつくのはやめます」


「そうかい」


「それでもし、気持ちを伝えても私の願いが叶ったって事にならなかったら…」


私の為に、もしローズさんの願いが叶えられなかったら…。

それが不安だった。

こんなに長い間待ったのに。


すると、ローズさんが本を閉じ、私の目を見つめた。


「馬鹿だね、そんな事どうだっていいって言っただろ?
大切なのはあんたがどうしたいのかって事なんだから」



「はい。ローズさん…私、頑張ります」


そう言って、椅子に座ったままのローズさんに手を振りお店を後にした。


< 228 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop