憧れの彼と恋する方法
何も言えないまま、時間だけが過ぎていく。
言いたい事は沢山あるのに、言葉が出ない。
今さら何ビビッてんだ、私。
正直になるって決めたのに。
「そう言えば、ドラマの打ち上げでちゃんと挨拶できなくてすいませんでした」
黙っている私に代わって、竜司君が口を開いた。
「あ、別に大丈夫だよ」
「由希さんには挨拶したかったんだけど、でもまたいつでも会えると思ったから」
そう言って竜司君はニッコリ笑った。
この笑顔。
私はこの笑顔が大好きなんだ。
優しくて、心が温かくなるような…。