憧れの彼と恋する方法
お気に入りの曲を口ずさみながら、いつもの様に冷蔵庫から買い溜めしておいたサラミと缶ビールを取り出し、2人掛けの白いソファーに腰を下ろす私、岡崎由希。
4畳半のベットルームに7畳のリビング。
1人暮らしをするには少し広めの部屋だけど、駅から徒歩20分という事もあって家賃は格安。
そんな格安物件に住んでいても、定職に就いていない私の生活は常にギリギリだ。
私は美容師の母の影響で、ヘアメイクアーティストになりたいという夢を追いかけ「ドラマや映画の仕事に関わりたい」と憧れを抱いていたけれど、現実は厳しい。
正直もう諦めているはずなのに、定職に就かず雑貨屋のアルバイトだけで生活しているのは、心のどこかでまだヘアメイクへの未練があるからなのかもしれない…。