憧れの彼と恋する方法
「ピピピッ…ピピピッ…」
テレビの前でスタンバイしていると、味気ない携帯の着信音が鳴り響いた。
「あと5分なのに…」
そう呟きながら携帯を手に取った。
「はい?」
「あ、由希?今なにしてる?」
電話の相手は親友の舞美。
「今ちょっと忙しくて」
嘘…。
全然忙しくなんかないけど、大好きな彼を見れるこの時間を無駄にする訳にはいかない。
かと言って「大好きなアイドルが出てるドラマが見たいから」なんて恥ずかしくて言えるわけない。
嫌だな。10代の頃だったら声を大にして言えた事も、今は変なプライドばかりが邪魔をする。