憧れの彼と恋する方法
「今日も撮影押しそうだよね」
舞美が携帯をいじりながら呟く。
私はそんな舞美の髪をセット中。
「うん、そうだね~」
「ん?なんか由希嬉しそうじゃない?」
「え?そんな事ないよ」
ヤバイ、思わず声が1トーン上がっちゃった。
舞美とは付き合いが長いけど、未だ言えずにいた。
竜司君の事を…。
言えないというか、言うつもりは全くないけど。
だって、私が竜司君の事を本気で好きだなんて、誰が言える?
身の程知らず。そう思われるのがオチだし。
竜司君への想いは、自分の中に閉じ込めているだけでいいんだ。
舞美に本当の事を言えないのはちょっと心苦しいけど、それも仕方ない。
この恋だけは、絶対に誰にも言えないし、どうにかしようなんて事も絶対に思わないんだから。