憧れの彼と恋する方法
季節的には春だけど、この日の撮影は夜中のロケという事もあって肌寒く感じる。
その為、外での撮影は結構厳しい。
私は厚手の黒いジャンパーを着て、寒さに少し身を縮めながら舞美の事を目で追った。
こんな夜中でも、出演者は衣装を着て撮影をするから皆薄着だ。
私はカット毎に「寒い寒い」と言って走って来る舞美に、私が着ている物と同じジャンパーを舞美の体に掛ける。
「今日はもう1カットで終わりだから、頑張れ舞美!」
ガッツポーズをして見せた。
「なんかさ~この前から思ってたけど、由希ちょっとテンション高くない?」
「え?別に普通だよ。寒いからさ、逆にテンション上げていかなきゃ!」