眠り姫はひだまりで

草べりにふたりで残される私と、純くん。


「えっと………あ、ありがとう、純くん。それで、なんでここに?」


私がおずおずと訊くと、純くんは「あー……」と言って答えた。


「ぐーぜんだよ。偶然。いや、ホントに。そこの道通ってたら、色葉が知らん男に絡まれてんの見つけて」


「そ………そうだったんだ……ホントにありがとね!純くんが来なかったら今頃私………」


「…………ヤバかっただろーなぁ?」


……………ニヤついてる。

 
「……………なに考えてんのさ」


「え~?いや?今頃色葉、男の人達に連れまわされて、大変だったろうなぁって」


「……………」

もーいい。純くんの顔がニヤついてる。

もうそれだけで、何も言う気がしません。

 
  
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