眠り姫はひだまりで

ガタ、と私が席を立つと、一緒に食べてたミオが言った。


「もう行くの?」


その場所へ私は毎日のように行ってるから、一緒に食べてるミオは、私が席を立っただけでどうするかわかっちゃうの。


「うん。今日はすごく眠いから」

「そっかぁ。いってらっしゃい」

「うん」


私が教室を出ようとすると、同じクラスの葉(よう)くんに、声をかけられた。


「あれ、癒し姫どこいくの?」


葉くんは私を癒し姫って呼ぶ。

恥ずかしいからやめてほしい。


「いつものとこ」


「あー、あそこね!」



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