眠り姫はひだまりで
「え。どした?」
「あ………や、なんでもないの。ちょっと………ね………」
「なに。気になる。言ってよ」
「な…………なんでもないよ」
言えるわけないよぉ。
「言えって」
「いぃ、言わない」
ふるふる首を振る私に、純くんはムッとした顔をした。
そして、どんどん純くんの顔が近づいてくる。
「へっ…………!?なななな、なにっ…………」
あと数十センチで、唇がふれそうになったとき。
純くんがニヤッとして言った。
「言わないと、キスするよ?」
な………………!?
キキキキキス!?
「だだだだだめだよ!こっ、こんなとこで……………!」
そう。忘れてはならない。
ここは、川辺なのだ。
上には、普通に道がある。
そこまで人通りがあるわけじゃないけど…………
キスなんて見られたら、恥ずかしくて死んじゃうよ!