眠り姫はひだまりで


残された私は、ひとりイスに座わって、コーヒー飲みながら一息。

はーぁ……………。


私、今夜心臓破裂して死んじゃうかも。





あれから、お兄ちゃんの『色葉との思い出BEST10』話(お兄ちゃんは重度のシスコン)を、純くんが必死に相づち打ちながら聞くこと、三十分。


お母さんと優馬が、一緒に玄関の戸を開けて帰って来た。

「車で仕事から帰ってたら、偶然光輝くんちからでてくる優馬が見えてねー、乗せて帰って来たんだけど………!?」

お母さんは、「お邪魔してます」とお辞儀する純くんを見て、目を見開いた。

そして、なぜか興奮しだした。


「あ……あらやだどうしましょ!もしかして色葉の?やだやだ!お母さんなにも聞いてなくて………」

「お母さん落ち着いて」

そう言っても、お母さんのパニックはおさまらない。

すると、優馬が純くんを指差して言った。


「も、もしかして姉ちゃんの彼氏!?」



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