眠り姫はひだまりで
残された私は、ひとりイスに座わって、コーヒー飲みながら一息。
はーぁ……………。
私、今夜心臓破裂して死んじゃうかも。
*
あれから、お兄ちゃんの『色葉との思い出BEST10』話(お兄ちゃんは重度のシスコン)を、純くんが必死に相づち打ちながら聞くこと、三十分。
お母さんと優馬が、一緒に玄関の戸を開けて帰って来た。
「車で仕事から帰ってたら、偶然光輝くんちからでてくる優馬が見えてねー、乗せて帰って来たんだけど………!?」
お母さんは、「お邪魔してます」とお辞儀する純くんを見て、目を見開いた。
そして、なぜか興奮しだした。
「あ……あらやだどうしましょ!もしかして色葉の?やだやだ!お母さんなにも聞いてなくて………」
「お母さん落ち着いて」
そう言っても、お母さんのパニックはおさまらない。
すると、優馬が純くんを指差して言った。
「も、もしかして姉ちゃんの彼氏!?」