眠り姫はひだまりで
鍵というはじまり
「わー!豆腐くずれる!あぁくずれた!」
「白菜はーくさいー、こら真人!肉ばっか食べない!はい白菜!」
「あー!勝手にいれるなよ!母さん!」
あれから、お母さんが夕飯を作り出した。
リビングで、優馬が純くんに『どうしたらそんなにかっこよくなれますか』とかとか、質問ぜめにして。
それでも爽やか王子様オーラで受け答えする純くんに感心しながら、お兄ちゃんの大学での話を聞いた。
そうして夕飯ができて、今こうして食事中。
ちなみに今夜の夕飯は………
「いやー、やっぱり家族で鍋がいいな!久しぶりだとなおさら」
はははは!と、ごきげんのお兄ちゃんが笑う。
………はい、鍋です。
なぜか、お兄ちゃんが帰って来る日は、毎回鍋。
まぁ、好きだからいいんだけどぉ。
問題は、隣の椅子に座る純くん。
お兄ちゃんやお母さんが、度々純くんに話しかける。
それに、超ナチュラルに笑顔で返す純くん。
…なんか、馴染んでない?
お母さん、純くんの悩殺スマイルを見る度に頬を赤くしている。
純くん、完全にお母さんに気に入られちゃった。