眠り姫はひだまりで
なんか、改めて申し訳ない。
まず、なんで純くんがうちで夕飯食べることにしたのかも、よくわかんないし。
こうして隣で一緒に鍋食べてるこの状況にも、なんかイマイチついてけない。
純くんは……今なに考えてるんだろう?
「じゅ……純くん」
向かいに座るお母さんとお兄ちゃん、私の右横に座る優馬は、三人でなんか盛り上がってる。
こそっと、純くんに話しかけた。
「ん?なに?」
今だに爽やか王子様な純くん。
お、オーラが………!
「な、なんかごめんね?こんなことになっちゃって………」
「え?なんで?俺、夕飯食わしてもらってるし。なんで謝んの」
「それは…………」
なんてゆうか、王子様に鍋は、似合わないような。
いや、これはこれで馴染んでるんだけど………
私が言葉を詰まらせていると、純くんはふ、と笑った。
とても優しい笑み。
ひゃぁ………かっこいー……
そして、純くんはその優しい表情のまま、盛り上がってるお母さん達をみた。
「楽しいよ。こーゆーの………家庭的な、温かい雰囲気。好きだ」
…………とても切ない瞳で。