眠り姫はひだまりで
…さてと!
私は小さな四角い入り口を、四つんばいになって入っていった。
*
ぎぎぎ、とさっき壁を押したときのような音を立てて、壁が開かれた。
目の前が光に包まれる。
「とーちゃーく……………」
四つんばいになっていた体を起こして、私は床に足を置いた。
そこは、旧校舎のとある空き教室。
生徒が授業を受ける新校舎から、新校舎のすぐ真隣にある旧校舎。
実は、公共の渡り廊下とは別に、行き来できる特別なルートがある。
さっき行った新校舎の資料室から、あの壁と見せかけた隠し扉。
見せかけたというか、あとから取り付けたのかもしれないけど。
そこから通れる、狭くて四角くて、四つんばいになんなきゃ通れない通路をとにかく進んでったら。
なぜか旧校舎の、この空き教室に着くのだ。