眠り姫はひだまりで


…さてと!


私は小さな四角い入り口を、四つんばいになって入っていった。







ぎぎぎ、とさっき壁を押したときのような音を立てて、壁が開かれた。


目の前が光に包まれる。


「とーちゃーく……………」


四つんばいになっていた体を起こして、私は床に足を置いた。



そこは、旧校舎のとある空き教室。



生徒が授業を受ける新校舎から、新校舎のすぐ真隣にある旧校舎。

実は、公共の渡り廊下とは別に、行き来できる特別なルートがある。


さっき行った新校舎の資料室から、あの壁と見せかけた隠し扉。

見せかけたというか、あとから取り付けたのかもしれないけど。

そこから通れる、狭くて四角くて、四つんばいになんなきゃ通れない通路をとにかく進んでったら。


なぜか旧校舎の、この空き教室に着くのだ。

 
 

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