眠り姫はひだまりで


それが合図のように。


私の涙は溢れた。


すると、右腕を引っ張られた。

純くんに立たされる。

そして、耳元で囁かれる。


「色葉の部屋いこ」


その言葉と共に、純くんに引っ張られて書斎を出た。

泣きながら部屋の場所を教えて、純くんに手を引かれて部屋へ入る。

そして、ベッドの上に座らされた。

ひっく、ひっくと喉が、しゃっくり声をあげる。

涙とまんないよぉ。


「だから、堪えんなって」


純くんは床に膝をついて、私と向かい合う。

「だって………かっこわるい」

「色葉のかっこいいとこなんか、一度も見たことねぇけど」

「そーゆーこと言わないっ」


私が怒ると、純くんは優しく笑った。


うぅ。

ほんと、ばかぁーーー。

なんでそんなかっこいいの。

私の涙はいっこうに止まらない。

「…………色葉」

純くんが、優しい声で言った。


「俺んとこで、寝る?」



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