眠り姫はひだまりで


先生の隣に、大和が立っていた。


………え、なんで?


ドアのところで固まっていると、先生に声をかけられた。

「なにしとんのか。早く席に着きなさい」

「………はぁ…………」


頭ん中?で埋めながら、席に着いた。

前の教卓を見る。

なんで…………

なんで、大和うちの学校の制服、着てるの?

先生が黒板に〝佐伯大和〟と書いた。


「えー、今日からうちのクラスの一員となる、佐伯大和くんだ。佐伯、自己紹介」


はい、と言って大和が口を開いた。


「T市の高校から転校してきました、佐伯大和です。よろしく」


さわやかスマ~イル。

女子の「ほぉ………」という感嘆の声があちこちで聴こえた。

………イヤイヤちょっと待て。

まず、つっこむべきところはそこじゃないだろう。

転校?


大和が。


うちの学校に?






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