眠り姫はひだまりで


…え、嘘。

どっか行っちゃった!?


急いで教室を見回すけど、大和の姿はない。

「そんなぁ………」

ショックすぎてうなだれた。

「い、色葉?なんかあったの?」

そんな私を心配してくれる理紗ちゃんに、「大丈夫」と返した。


「それで、私に訊きたいことって?」


ミオと席に座りながら、理紗ちゃんに訊く。

理紗ちゃんは、机をくっつけてお弁当を広げる私とミオの横で、なにか意気込んでいた。

理紗ちゃんの後ろには、彼女と仲良しのさゆりちゃん。

彼女も理紗ちゃんと同様だ。


私達がそれを不思議そうに見ていると、理紗ちゃんは口を開いた。


「あ、あのさぁ………?直球すぎるとはわかってるんだけど」


そして、ありえない質問をしてきた。



「色葉って、葉と付き合ってるの?」



「え?」

「は?」

「俺が?」


三人の驚きの声が重なった。




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