眠り姫はひだまりで
「俺が癒し姫、調理室まで連れてったんだよな?」
葉くんが、ミオの横に立って、パンを片手に言った。
すると、理紗ちゃん達は赤くなって…
「う……うん。それで、二人は付き合ってるのかなって………」
「「……………」」
私と葉くんは、お互いを凝視しあった。
クラス中から、息を呑むような熱い視線を注がれる。
葉くんが、私を見つめて、キリッとした顔で言った。
「………癒し姫。俺を恋愛対象として見ているか?」
なんか口調が変だけど、とりあえず私も葉くんを見つめながら、キリッとした顔で言った。
「ううん。全く見てない」
「だよな。俺もだ」
「私が言うのもアレだけど、何気に酷いよね、それ」
そして、私達はそのままの顔とテンションで、お互いを指差しながら、理紗ちゃん達の方を向いて言った。
「「本当に付き合ってるように見える?」」
「「ぶっ…………………」」
ミオと、葉くんのお友達数人が吹き出した。