眠り姫はひだまりで


理紗ちゃん達と、他のクラスメイト達は、ポカンとしている。

ミオが、「お互いノリ良すぎ」と笑ってる。

……あはは。

実は私も、ちょっと面白かった。


ミオは目の涙を拭いながら、笑って理紗ちゃん達に訊く。

「これが、カップルに見える?」

私と葉くんを指差す。

ポカンとしていた理紗ちゃん達が、「………あ」と気づいたように声を上げた。


「じゃ、じゃあ二人は付き合ってないんだ?」


「うん」

「そっかぁ………」


今度はクラス中が、安堵の空気に包まれた。


なんなんだろ?

この一体感……。

そして、理紗ちゃん達がありがと、と言って席に戻った。


クラスの空気も元に戻り、みんなそれぞれ食事を始める。

………まぁ、誤解が解けてよかったけど…………。


「…………ミオ」

すぐ近くで、友達と話し始めた葉くんに、聞こえないように、ミオに耳打ち。

「……もしや、理紗ちゃんとさゆりちゃんって、葉くんのこと………」

「好きなんだろーね」

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