眠り姫はひだまりで
「……も、もー、私は真面目に謝ってるんだよ!?」
「ほんっと、色葉は男子に執着ないわね」
「好きな奴とかできんの?てか、できたことあんの?」
ドキッ。
す…………『好きな奴』。
………いるよ?
「いや、色葉は初恋もまだだから」
ミオが笑って言う。
……………まだ、ミオには言ってないんだよね。
純くんのこと……………。
…………なんか、考えたら無性に、会いたくなった。
「……………み、ミオ」
お弁当を片付ける。
「………い、いってきていい?」
ミオは少しの間考えていたけど、さすが親友、すぐにわかったようで。
「オッケー、いってらっしゃい」
笑ってくれた。
葉くんたちは、「どこ行くの?」って 言ってるけど、私は「いつものとこ」と言って、返事を聞かずに席を立った。
行くんなら、早く行きたい。
早く会いたい。
昼休みは、あと半分しかない。
教室に戻ったら、ミオに純くんのこと話そう。
私はおもむろに教室のドアを開けて、資料室へと走った。