眠り姫はひだまりで
王子様が、近づいてくる。
いつものように、明るく笑って……。
…………あ、駄目だ。
顔見れない!
おとといのこともあるけど…
なんか、好きって認めた途端、いつものように出来ない。
ぐるぐるする。
やばい、こっち来たぁあぁ!
純くんがなんか言ってるけど、私には聞こえない。
「………色葉?聞いてる?…てか、聞こえてる?」
呆れたカンジで見られる。
……だ……………
ダメだぁああぁぁぁああ!!
ズサズサズサズサズサーッ!
「!?」
一気に、後ろへ四つん這いのままズサズサ下がった。
「色葉!?え、どした!?」
「~~~~~っー~~」
ダメだよ。顔見れない。
うつむく。
私の目には、鉄製の鈍った光沢を放つ、通路の銀色しか見えない。
きっと、今の私は顔真っ赤。
とても顔上げらんない…………。