眠り姫はひだまりで
ちょ!!
バカじゃないの私!?
もっと上手い言い訳あったでしょ!
机ベッドのが寝心地いいワケないからぁあぁあ!!
でも、言っちゃったもんは仕方ない。
このまま「机ベッドのが」で通すしかない!
慌てる心がバレないよう、私は全力で「文句あるか」という、自信満々な顔をつくった。
「………へーーー…………」
なにか見透かすような、探るような目で私を見上げる純くん。
「そんなに机ベッドが好き?」
「好き!」
あぁあ、慌てすぎて即答してしまう。
「人の腕んなかよりも、冷たい机ベッドがいいの?」
「もちろん!」
嘘です。今は冬なんだから、机ベッドはすんごく冷たい。
さっき机ベッドを思い切り叩いた手が、
ジンジンする。
「ホントに?」
「ホントに!」
相変わらず即答する私に、純くんは超不機嫌な顔で、少し間をあけて………
最後の問をした。
「………色葉は、俺の腕の中よりも、冷たくて固い机ベッドを選ぶんだ?」
「あぁ、当たり前でしょ!」
声が上ずって、一体なにが当たり前なのかわからないよ…………。