眠り姫はひだまりで


「………そっかぁ~………」


ふーん、と変わらず私を見上げる、不機嫌な顔の純くん。

ば……………バレてるかな。

嘘ついてること……………。

そう思うと、焦ってしまう。


けど、私もなんとか平静を装い、純くんを見つめ返した。

数十秒間ぐらい経ったかなってところで。

突然………純くんの不機嫌な顔が、一変した。


ニヤッとした、悪そうな笑みに。



……………………え?


純くんはそのまま口を開き………言った。


「………じゃあ?一昨日その机ベッドよりも寝心地のわっるーいこの腕の中で、泣きながら爆睡したのは………誰だっけ?」


「……………へ」

え?

……………まさか。

まさか。まさか。

こ、こここのわっるーい笑顔は!


「誰だっけ?」

ぐいっと引っ張られ、引き寄せられる。

純くんの顔が、近い。

「………っじゅっじゅじゅ………!」


「はは、噛んでるよ?………ほら、答えろよ。一昨日、俺の腕の中で気持ち良さそーに寝たの、誰?」


う……………

さっき意地張って、机ベッド机ベッド言ってたから…

もう素直に「私」って言えないじゃん!

しかも、『気持ち良さそー』とか……

やっぱり………!


ひ、久しぶりのSモードだよぉー!!





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