眠り姫はひだまりで
*
ガララ…
教室へ入ると、ガヤガヤしたクラスメイトたちが見えた。
「あ、色葉おかえりー」
クラスメイトで、教室のドアから一番近い席の桃ちゃんが、声をかけてくれた。
「よかったね、自習だってよー」
「え…………」
黒板を見ると、でっかく『自習』の二文字。
よかった。
授業始まりの時間には五分ほどオーバーしてるけど、怒られずに済んだ。
自習だからか、みんな好き勝手な席にいって、好きな相手としゃべってる。
真面目に勉強してる人なんて、数人………。
ミオは、自分の席で頬づえついて窓のほうを見ていた。
え………絵になるぅ。
ミオの席に行こうとすると、他の男子としゃべってたクラスの男子に、声をかけられた。
「あ、色葉ー」
「なに?」
「お前あそこ行ってたんだろ?昼休み行くっていう」
「あー、うん。ちょっと遅れちゃった。自習でよかったよー」
「だなー」