眠り姫はひだまりで




ガララ…

教室へ入ると、ガヤガヤしたクラスメイトたちが見えた。


「あ、色葉おかえりー」


クラスメイトで、教室のドアから一番近い席の桃ちゃんが、声をかけてくれた。


「よかったね、自習だってよー」

「え…………」

黒板を見ると、でっかく『自習』の二文字。


よかった。

授業始まりの時間には五分ほどオーバーしてるけど、怒られずに済んだ。

自習だからか、みんな好き勝手な席にいって、好きな相手としゃべってる。

真面目に勉強してる人なんて、数人………。

ミオは、自分の席で頬づえついて窓のほうを見ていた。

え………絵になるぅ。

ミオの席に行こうとすると、他の男子としゃべってたクラスの男子に、声をかけられた。


「あ、色葉ー」

「なに?」

「お前あそこ行ってたんだろ?昼休み行くっていう」

「あー、うん。ちょっと遅れちゃった。自習でよかったよー」

「だなー」



< 199 / 587 >

この作品をシェア

pagetop